三重県津市の戸建て住宅外壁塗装・屋根塗装・付帯部塗装の施工事例です。
外壁サイディングボード(難付着)・カラーベスト屋根・軒天・雨樋など付帯部全般の塗り替えも行いました。
外壁は通常の塗料が密着しにくい難付着サイディングなので対応の塗料で施工しています。
外壁ラジカル塗装・屋根にはフッ素塗装を提案し、建物全体の耐久バランスを最適化しました。
ページ下部では、今回の工事で使用した塗料の製品情報をまとめてあります。事例と併せて参考にしてください。
戸建て住宅|外壁(難付着サイディング)・付帯部ラジカル塗装・屋根フッ素塗装
施工前
南面外壁はサイディングの色あせ・目地シーリングの劣化が目立ちます。屋根の苔汚染も顕著な状態です。
施工後
屋根には超耐久樹脂のフッ素塗料を使用し、外壁は近年人気のラジカル塗装で仕上げました。
施工データ
塗料メーカー | エスケー化研(株) |
---|---|
使用塗料 | |
塗料名称 | 超耐候形一液NAD特殊シリコン樹脂塗料 |
期待耐用年数 | 14~16年(外壁) |
施工箇所 | 外壁、屋根、付帯部 |
色調 | 外壁:SR-169 屋根:RC-113 |
施工メモ | 屋根4回塗り!水切り修繕サービス施工! |
施工前の状況
外壁の状況
外壁は色褪せが見られる程度で著しい劣化は見られません。材質は難付着サイディングという高耐候ボード材です。
築10年以上経過していますが、チョーキング(塗膜の粉化)が全く発生していません。
難付着サイディングとは
難付着サイディングとは、2001年ごろから発売(施工)されている耐候性、防汚性に優れる窯業系外壁材(ボード)です。
材質の表面に、光触媒・フッ素樹脂・親水性、無機塗装などの加工が施されているため、通常の塗装工程では塗料が付着しにくく、付着しても剥離しやすい材質と言われています。
下見・点検で難付着サイディングと確認できた場合は、専用の下塗り塗料を使用することでシリコン塗装など通常の塗装を行うことが可能です。難付着サイディングの判断基準は、施工後10年程度ではチョーキングが全く発生しないことや、ハウスメーカーの施工仕様書で使用されている外壁材を確認することで判断できます。
屋根の状況
カラーベスト屋根のコケ汚染が顕著な状態です。既存塗膜には艶引けと若干の剥離が見られます。
笠木板金の色あせが顕著な状態ですが、錆の発生など著しい劣化は確認できません。
目地シーリングの状況
外壁目地のシーリングは、剥離など著しい劣化は見られませんが、表面にひび割れが発生しています。
水切りの状況
水切りコーナーの部材が樹脂製(塩ビ)なので、経年劣化で割れてしまっています。
施工中の状況
足場工事
工事初日に作業用の仮設足場を設置します。作業に伴う騒音については事前の近隣挨拶で丁寧に説明します。
飛散防止ネットの設置を含め仮設足場の設置工事は通常1日間で終了します。
高圧洗浄
塗装工程前に高圧洗浄を行います。新築時の屋根既存塗装は10年を超えると高圧洗浄である程度流れ落ちてしまいます。
美観を大きく損ねていたコケ汚染などは、高圧洗浄で簡単に除去することができます。
高圧洗浄後は屋根に残った水分を自然乾燥させます。コケ汚染と劣化した古い塗膜はきれいに除去できました。
チョーキング(塗膜の粉化)が発生していない外壁も、水垢やほこりが付着しているので丁寧に洗浄を行います。
高水圧タイプのエンジン式高圧洗浄機は高い洗浄力がありますが、作業中は若干の騒音が発生します。
シーリング工事
古いシーリングを撤去するために目地の両側にカッターナイフで切れ目を入れいきます。
目地のシーリングは外壁材側面への2面接着なので、カッターで切れ目を入れると簡単に撤去できます。
2面接着用のボンドブレーカーが下地材(ハットジョイナー)に残っています。剥がれた場合は追加で貼り付けます。
古いシーリング材を撤去したら、マスキングテープを貼って周囲が汚れないように処理をします。
劣化が軽度で撤去の必要がないサッシ周りは増し打ち施工ですが、密着向上のためプライマーの塗布は必須です。
プライマーが乾燥したら、ノンブリードタイプのシーリング材を充填していきます。
シーリング材を充填したら速やかにゴムベラで均して仕上げを行います。
シーリング仕上げを行ったらマスキングテープを撤去し、乾燥・硬化を待ちます。
シーリング材の選び方
塗装工事で使用するシーリング材は、塗膜汚染が起こらないノンブリードタイプを必ず選択します。
ノンブリードでないシーリング材に塗装すると、可塑剤(かそざい)という成分の塗膜表面以降で美観を損ねます。
▼シーリングメーカー参考リンク▼
養生工事
高圧洗浄、シーリング工事が終わったら、サッシ(窓)・扉など塗装しない箇所をビニールで養生します。
玄関扉など常に使用する出入口の養生は、施錠開閉できるように工夫して行います。
外壁塗装(下塗り)
外壁の下塗り塗装を行う際は、塗り残しが出ないように隅部を刷毛で先行塗りしていきます。
刷毛の先行塗りがある程度終わったら、広い面はローラーを使って塗装していきます。
難付着サイディング用の下塗り塗料ハイブリッドシーラーEPOは2液硬化型なので計量器を使用して調合します。
2液硬化型塗料の調合(比率)を正確に行うために、デジタル計量器を使用しています。目分量での調合は論外です。
今回使用の下塗り塗料はクリアータイプですが、乾燥硬化後は強靭な塗膜が形成されます。
難付着サイディングの外壁塗装では下塗り塗料の選択を誤ると塗料の密着不良、施工後の塗膜剥離といった不具合が高い確率で発生します。
今回の施工では下見点検時に外壁の材質を把握していますので難付着サイディングに対応した下塗り塗料を提案させていただきました。
外壁塗装(中塗り・上塗り)
下塗り塗装の翌日に中塗り塗装を行います。下塗り塗装と同じように刷毛の先行塗りから施工していきます。
刷毛の先行塗りがある程度進んだら、広い面をローラーで塗装していきます。
中塗り塗装の翌日に上塗り塗装を行います。すべての工程で刷毛・ローラーを使い分けて丁寧に塗装を進めていきます。
上塗りは中塗りと同じ塗料で塗り重ねます。塗装面積にもよりますが基本的に塗装工程は1日1工程です。
付帯部塗装
外壁の軒天際(入隅)はローラーで塗装しにくいので、刷毛で先行塗りを行います。
刷毛の先行塗りがある程度終わったら、広い面はローラーを使って塗装していきます。
同じ塗料を塗り重ねて仕上げていきますが、1日1工程が望ましいので、仕上げ塗装は翌日に行います。
刷毛先行塗りの後ローラーで仕上げていきます。外壁と付帯部は高耐久エスケープレミアムNADシリコン仕上げです。
塩ビ(樹脂)製の雨樋は塗装前に研磨処理を行うことで塗料の密着性が向上します。
軒樋の材質は塩ビ鋼板なので、ビニタイトプライマーという塩ビ鋼板専用の下塗り剤を塗装します。
ビニタイトプライマーで下塗り後は通常の仕上げ塗料を塗り重ねることが可能です。
軒樋は、下塗り(プライマー)・中塗り・上塗りの3回塗り仕上げで施工します。
シャッターボックスも軒樋と同じ塩ビ鋼板ですので、ビニタイトプライマーで下塗りします。
ビニタイトプライマーは速乾性強溶剤ですが、作業を慌てることはせずに1日1工程で施工します。
耐久性の高い塩ビ材質の竪樋は、下地研磨のあと2回塗り施工で仕上げることで十分な耐久と美観が確保できます。
仕上がった外壁を汚さないよう注意しながら、1日1工程で丁寧に仕上げます。
屋根塗装
屋根の笠木板金の釘は経年により緩んでいることが多いので塗装する前に点検・補修を行います。
笠木板金の緩んでいる釘はすべて打ち直しを行います。打ち直しで固定されない場合はシーリング材で固定します。
笠木板金の接続部は塗料を弾くシリコーンシーラントで埋められているので下地処理剤を塗布しておきます。
既設の建物に多く施工されているシリコーンシーラントには塗装下地処理剤ペインター20を塗布します。
既存の補修箇所が脆弱な場合は、塗装前に変成シリコンで増し打ち補強を行います。
板金の際など、ローラーで塗装しにくい部分は刷毛を使って先行塗りしておきます。
刷毛の先行塗りがある程度進んだら広い面はローラーを使って塗装していきます。今回は下塗りを2工程行っています。
中塗り塗装は下塗り塗装の翌日に行います。下塗りと同じく隅部の刷毛先行塗りから行っていきます。
ある程度刷毛塗装が終わったら広い面はローラーで塗装していきます。
上塗りも刷毛の先行塗りから施工します。溝の部分はローラーで無理に押し込まず刷毛で丁寧に塗装していきます。
屋根の仕上げに使用する塗料は、超耐久型のフッ素樹脂塗料ヤネフレッシュFです。
ヤネフレッシュFは弱溶剤2液硬化型塗料です。主剤と硬化剤の調合は計量器を使用して正確に行います。
ブロック塀塗装
ブロック塀は吸い込みの激しい砂状下地なのでフィーラーという下地調整塗材で下塗り(目止め)を行います。
隅部の刷毛塗装を行いながら広い面はローラーを使って塗装していきます。
下塗り塗装の翌日に中塗り塗装を行います。隅部の刷毛先行塗りから進めていきます。
刷毛先行塗りを行いながら広い面はローラーで塗装します。上塗りは中塗りが完全に乾燥してから行います。
中塗り塗装の翌日に、上塗り刷毛塗装から進めていきます。上塗りは中塗りと同じ塗料を重ね塗りします。
ブロック塀の仕上げ塗料には水性タイプのシリコンラジカル塗料エスケープレミアムシリコンを使用しています。
水切りの修繕
塩ビ樹脂の水切りコーナー部材が経年劣化で破損しているので、サービス施工で補修します。
破損している部材は接着剤で固定してあったので、ヘラを使って撤去できました。
既存と同じ部材が調達できなかったので、塩ビ製のアングルを加工してコーナー部材を作りました。
塗装用に下地をペーパー研磨し、ボンドで取り付け後、付帯部塗装で仕上げていきます。
既存の水切りより若干小さいサイズにしか加工できませんでしたが、塗装仕上げできれいに修繕できました。
施工完了
製品情報
今回の工事で使用した塗料の種類をまとめてあります。
ラジカル塗料(油性)
付帯部の仕上げ塗りに使用
屋根用フッ素塗料
屋根の仕上げ塗りに使用
ラジカル塗料(水性)
外壁の仕上げ塗りに使用
下塗り塗料
外壁の下塗りに使用
下塗り塗料
屋根の下塗りに使用
下地調整塗材
ブロック塀の下塗り
プライマー
塩ビ鋼板の下塗り
NBシーリング材
打ち替え・補修に使用
ペインター20
シリコーンシーラント処理
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