三重県紀伊長島町の日本瓦(いぶし瓦)の吹き付け塗装の施工事例を掲載しています。
今回の物件は平屋の建物で住宅密集地域でないため、仮設足場(ネット)は設置していません。
色調が塗りムラになりやすい銀黒色ですので、吹付け塗装での施工事例です。
日本瓦(いぶし瓦)屋根|瓦専用シリコン塗装
日本瓦の塗装について
日本瓦の一つであるいぶし瓦は無釉瓦とも呼ばれる屋根瓦で、その寿命は40年から50年と言われています。
非情に耐久性の高い瓦なので、塗装によるメンテナンスは必要ないというのが定義になっていますが、永久的な強度があるわけではありません。
今回施工する屋根は新築から約40年経過しており、経年劣化によるひび割れ・欠け・苔の繁殖による美観の低下が著しい状態です。
強度の高い日本瓦(いぶし瓦)ですが、施主様のご要望は将来に向けての耐久性を長くしてほしいというご要望です。
本来なら瓦をすべて葺き替えるという選択がベストですが、費用面での予算が厳しいということで、塗装によるメンテナンスの依頼をいただきました。
使用した塗料は、メーカー標準仕様では下塗りの必要がない(2工程)<いぶし瓦専用塗料>ですが、瓦の劣化が著しいことと、塗装前に施工済みの瓦止めシーリングへの塗料密着のため3工程で施工しました。
施工前
新設から約40年経過し、瓦のひび割れやズレが随所に見られます。先行工事の瓦補修はリフォーム屋さんに依頼し塗装工程を当店で行います。
施工後
標準仕様2回塗り工程の塗料ですが、瓦用シーリングとの密着強化のため下塗りを含む3工程仕上げで美観と耐久が向上しています。
施工データ
塗料メーカー | 大同塗料株式会社 |
---|---|
使用塗料 | |
塗料名称 | 弱溶剤2液型シリコンアクリル樹脂系塗料 |
期待耐用年数 | 7~9年 |
施工箇所 | 屋根瓦 |
施工メモ | 近年注目!いぶし瓦専用塗料 |
施行前の状況
シーリングですべての瓦が連結し、通気のための隙間もきちんと確保されています。これで瓦補修の工程は終了です。
冬場の表面結露が乾きにくい北側の瓦に苔汚染が広がっています。塗装の前に高圧洗浄ですべて除去します。
施行中の状況
高圧洗浄
高圧洗浄機で苔汚染を除去します。隙間から水が入らないよう瓦と平行に洗浄していきます。
洗浄前と洗浄後の比較です。エンジン式の高水圧洗浄機なら、苔汚染などは比較的簡単に除去できます。
下塗り塗装
今回は吹き付け塗装で施工しますので、瓦以外に塗料が飛散しないように軒先は刷毛で先行塗りします。
塗装しない破風板などに塗料が飛散しないように、袖瓦の外面なども刷毛で先行塗りしておきます。
いぶし色(銀黒)は、ムラにならないように吹き付け塗装で施工します。塗装しない壁面は事前に養生しておきます。
下塗りシーラー塗装前と塗装後の比較です。クリヤーですが塗布した面は濡れた感じになり塗膜が形成されます。
既存瓦と交換した瓦の色目が違いますが、クリヤー塗膜がしっかり残ると画像のように艶感が残ります。
中塗り塗装
下塗り塗装翌日に中塗りを施工します。塗料はすべて速乾性ですが1日1工程で塗膜の硬化を確実にしておきます。
画像上部が中塗り塗装の状況です。重なり部分や段差の際などに注意して均等に塗膜をつけていきます。
中塗り塗装終了後の様子です。いぶし瓦の雰囲気を出せる430銀黒という色調で塗装しています。
上塗り塗装
中塗り塗装翌日に上塗りを施工します。同じ塗料をぬり重ねることで美観性と耐久性が向上します。
鬼瓦のように複雑な形状の部位は、小刷毛・筆などで細部まで丁寧に手塗りしておきます。
施工完了
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製品情報
今回の工事で使用した塗料情報をまとめてあります。
屋根用塗料
日本瓦の下塗りに使用
屋根用塗料
日本瓦の上塗りに使用
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